2012/07/19
最新版 親子で学ぶインターネットのセキュリティ【前編】
夏休みが近づいてきました。長期の休みは、子どもがパソコンや携帯電話に触れる時間が長くなります。思わぬトラブルに遭ってしまわないために、インターネットの利用にあたっては、身近な大人が子どもに合わせた利用設定をしたり、マナーを教えることも大切です。
今回は、子どもが安全にインターネットを利用するためのポイントをご紹介します。
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子どもたちは、インターネットを勉強やプライベートの様々なシーンで利用しています。パソコン以外にも、携帯電話や家庭用の携帯ゲーム機など、インターネットに接続できるデジタル機器も増えました。
児童を対象に行った調査によれば、小学5年生では、およそ7割がホームページを閲覧したことがあると回答しています。続くネットゲームでも、およそ4割が利用したことがあると回答し、インターネットの利用が子どもにとっても身近なものになっていることが分かります。
学習に役立つ情報を素早く入手したり、友人と容易にコミュニケーションをとることができたりと、便利なインターネットですが、使い方を間違えると、犯罪やトラブルに巻き込まれてしまう危険もあります。
その一つが金銭トラブルです。インターネットでは、子どもであっても大人と同じように金銭のトラブルに巻き込まれてしまう恐れがあるのです。東京都が運営する子どものインターネットトラブルの相談窓口「こたエール」に寄せられた2012年5月の相談を見ると、最も多い相談は、架空請求です。万が一、子どもが金銭被害に巻き込まれれば、親に黙って家からお金を持ち出したり、親のクレジットカード情報を教えたりしてしまい、被害が深刻化する恐れもあります。
インターネットの金銭窃取の手口としては、ワンクリック詐欺やフィッシング詐欺がよく知られていますが、老若男女問わずインターネットを利用するようになれば、子どもであっても、金銭被害に遭う可能性があると認識し、対策が必要になるでしょう。
一方、子どもが加害者になってしまうこともあります。過去には、会員制のオンラインゲームに他人のパスワードを使ってアクセスした高校生が、不正アクセス禁止法違反の疑いで書類送検されています。また、アイドルのコンサートチケットを売ると偽り現金を詐取した中学生が補導されたケースもありました。
子どもの世界にもインターネットが広がってきている実情を考えると、あらためて親子で利用ルールやマナーについて、考える必要があると言えるでしょう。
東京都が運営する子どものインターネットのトラブル専用の窓口に寄せられた相談内容をみると、子どもを取り巻くインターネットトラブルが非常に多様であることがわかります。
子どものインターネット利用で注意したいのが、SNSやプロフィールサイト、コミュニティサイトなど不特定多数と交流ができるサービスの利用です。
警察庁の発表によれば、昨年、コミュニティサイトを利用したことで犯罪被害に遭った児童数は、出会い系による被害のおよそ4倍近くに上っていることから(※)、利用にあたっては引き続き注意が必要と言えるでしょう。
SNSなどのサービスの多くが、プロフィールなどに本名や住所、生年月日、顔写真、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を公開できます。本人は友人とだけ交流しているつもりであっても、悪意のある第三者に情報を悪用されれば、犯罪の標的になってしまう恐れもあります。
例えば、自己紹介ページを無料で作成できるサービスとして人気のプロフィールサイトでは、中高生が名刺代わりに、自分のプロフィールのURLを配布したり、友だちを検索したり、掲示板に書き込んだりしています。ここで注意しなくてはならないのは、この中に同年代の人物を装って子どもとの出会いをもくろんだりする犯罪者が潜んでいる可能性もあるということです。また、不用意な発言がきっかけとなり、子ども同士のトラブルに発展することもあります。
子どもたちの多くはインターネットの危険を理解していないまま、サービスを利用していたり、また、危険と知っていてもちょっとした好奇心から不用意な行動をとってしまったり、甘い言葉にだまされて個人情報をさらしてしまったりすることもあります。インターネットを利用する際は、大人が十分注意を払う必要があります。
※データ出典:警察庁「平成23年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況について」
※この記事は制作時の情報をもとに作成しています。