
地震や大雨などの自然災害はいつ起きても不思議ではありません。大規模な災害が発生した時にやっておくべきことや、ネットやセキュリティの観点で注意すべきポイントを解説します。
自然災害発生後は、それに便乗した詐欺が横行します。たとえば、2018年9月には大手のインターネットサービスをかたって、「平成30年7月豪雨緊急災害支援募金」を呼びかける詐欺メールが拡散されました。これは、西日本豪雨による被災地への緊急支援を募る「ネット募金」の偽サイトへ誘導し、クレジットカード情報や金銭をだまし取ることが目的でした。
災害情報に見せかけた内容のスパムメールを送りつけ、受信者に偽サイトのURLをクリックさせたり、添付ファイルを開かせることでウイルスに感染させたりする手口もあります。こうしたメールでは実在する政府機関や、さもありそうな組織を詐称し、もっともらしい件名と本文でURLのクリックや添付ファイルの開封を促します。被災者や支援者の気持ちを踏みにじる卑劣な詐欺に引っかからないよう注意してください。
都道府県警察サイバー犯罪相談窓口
https://www.npa.go.jp/cybersafety/
被災者の多くは被害状況や避難所の状況、支援物資の配給場所などの災害情報を収集、発信する手段としてTwitterなどのSNSやニュースサイト、ネット掲示板などを活用することでしょう。ただ、災害発生後は事実と異なる情報や、必ずしも正確ではない情報、ある意図をもって加工されたデマがSNSなどのネット上を飛び交いやすくなります。ネット上の間違った情報やデマに踊らされないよう慎重に情報収集を行いましょう。また、ネット上に間違った情報を発信すると、被災地に混乱を引き起こしたり、救援活動を阻害したりする要因になりかねません。事実かどうかわからない情報、デマかもしれない情報の拡散に加担しないよう注意してください。
参考:認証済みアカウントについて
https://help.twitter.com/ja/managing-your-account/about-twitter-verified-accounts
図:認証済みバッジ例
大規模災害時には、「00000JAPAN」というSSID(ネットワーク名)を持つ公衆Wi-Fiが無料開放される場合があります。その利用方法は簡単です。スマホなどの端末のWi-Fi機能をオンにし、利用可能なSSIDの一覧から00000JAPANを選択するだけで通信環境を確保できます。ただし、00000JAPANは、だれもが自由にネットワークに参加して安否確認や情報収集を行えるようあえて通信内容を暗号化せず、パスワード認証なしにつなげるようになっています。このため、00000JAPANの利用時には悪意のある第三者に通信内容を盗み見られる危険性があることに留意しましょう。
また、ほとんどのスマホは、過去に一度でも接続したSSID(ネットワーク名)の電波圏に入ると、自動的にそこへ接続する機能を備えています。そこで悪意のある第三者は、00000JAPANと同名のSSIDを持つ偽のWi-Fiスポットを設置し、それを本物と誤認して自動接続してくる端末を待ち構えることも考えられます。
災害発生時のスマホは家族と連絡を取り合ったり、情報を収集したりする手段として特に手放せません。しかし停電などで電気が確保できない場合、バッテリー切れが気がかりです。いざというときにスマホが使えない状況を避けるため、スマホの設定を変更してバッテリーの消耗を抑えましょう。
・iPhone(iOS12.1.2)の場合
iPhoneの「設定」から「バッテリー」へ進み、「低電力モード」をオンにします。
・Android端末の場合
機種ごとに独自の省電力モードが用意されています。機種ごとに設定方法が異なるため取扱説明書をご確認ください。
大規模災害が発生すると被災地への電話が殺到し、つながりにくい状態になります。そんなとき、被災地の家族の安否確認や避難場所の連絡などに利用できるのが「災害用伝言サービス」です。
au https://www.au.com/mobile/service/saigai-taisaku/
SoftBank https://www.softbank.jp/mobile/service/dengon/boards/
docomo https://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/disaster_board/index.html
家族や親戚、友人間で安否確認の伝言を確認し合うために、利用するサービスや「キーとなる電話番号」を決めておきましょう。利用方法については、以下をご参照ください。
http://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/net_anzen/hijyo/dengon.html
災害はいつ自分の身に降りかかるかわかりません。いざというときに困らないように普段からスマホやネット、セキュリティの観点でも災害に備えておきましょう。
※この記事は制作時の情報をもとに作成しています。