2009/03/12
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前回は暴露ウイルス感染による情報漏えい事件についてご紹介しました。 |
パソコンの盗難の場合、パソコン本体そのものを狙うのではなく、保存されている個人情報などを入手しようとするケースが多いと言われています。特に、個人を対象とした業種の業務パソコンには非常に多くの個人情報が保存されている可能性があり、いわゆる「車上狙い」などで業務パソコンが盗難に遭うケースは後を絶ちません。 パソコンが盗難された場合、悪意を持った第三者によって個人情報などが搾取され、インターネット上への流出や「リスト」として売却される可能性があります。またそれを基にした犯罪が起こることが考えられます。 |
業務上、ノートパソコンを持ち歩くほとんどの人が、パソコンにパスワードを設定していたり、ファイルごとにパスワードを設定したりして、万が一の事態に備えていることでしょう。個人のパソコンにおいても、もしものことを考えればこうした対策を講じておくべきでしょう。 また、セキュリティソフトの中には、パソコン内のファイルに対してインターネットを通じてリモートで「ロック(鍵)」する機能を持ったものもあります。 パソコンの盗難・紛失に備えて、可能な限りの対策を取っておくことが、大切な情報の漏えいを防ぐことにつながります。 |
機密情報などのファイルを、パスワードで保護するとともに、それらのファイルをリモートで「ロック」することができる機能。万一パソコンが盗難に遭ったり紛失した場合でも、インターネット経由で指定サイトにログインし、パスワード保護されたファイルをリモートで「ロック」することにより、ファイルへのアクセスを遮断することができる。 |
それから2週間ほど経って、Kさんは、複数の顧客から「最近急に迷惑メールが増えた」という話や「怪しい電話や不正請求の郵便が届くようになった」という話を聞かされていた。『まさか・・・』と思っていたある日、Kさんは上司に呼ばれた。2週間前に紛失したKさんのパソコンがそれらの原因である可能性が非常に高いという事実を告げられたのだった。 Kさんは、パソコンやファイルにパスワードを設定していたが、それは簡単な英単語をそのまま使ったものだったのだ。しかも、すべてに同じパスワードを使っていたため、Kさんが紛失したパソコンを手に入れた悪意ある第三者は、いとも簡単にパスワードを解読し、500人分以上の個人情報などを悪用できたのだ。
Kさんは、会社に居づらくなってしまい、ほどなく退社した。自分がパソコンを紛失したことが、会社の信頼を落とすことにつながったことに責任を感じた結果の退社だった。苦労して入社した会社を、こんな形で辞めることになるとは、Kさん自身予想もしていなかった。 =====この物語は、フィクションです。 |
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※この記事は制作時の情報をもとに作成しています。